難しいのは、モデリング

自動シフト勤務表で、最も難しいのは、解くことではありません。解くのは、最適化ソルバが勝手にやってくれますから。難しいのは、最適化ソルバに与える式を作ること、定式化です。学術用語で、定式化をモデリングと呼んでいます。

「え、式を作るだって、聞いていない!」という声が聴こえそうです。はい、スケジュールナースで式を入力することはありませんので、ご安心を。

専門家向けのモデリングの本は、沢山出ていて、覗いてみると、確かに難しい数式が並んでいます。専門家にとってもモデリングは難しいのです。

モデリング

仕様から制約に変換すること モデリング

スケジュールナース内部でも、最適化ソルバは、使われています。なのでコンピュータに分かる言葉で指示をしてやる必要があります。
勤務表の場合は、職場のルールだったり、スタッフのQOLに関する仕様を、コンピュータに分かる言葉、「制約」に変換してやる必要があります。

「仕様」の段階では、ソフトに依存しませんが、「制約」の段階では、ソフトに依存することになります。制約は、そのソフト独自の言葉で記述(設定)されるからです。


公平とは?

公平な勤務表とは何でしょう? 「公平」一つ取ってもその職場やスタッフ事情でその実現方法は変わるのではないでしょうか? この記事 のように、傍から見ると依怙贔屓に見えなくもない公平もあります。
管理者が、組織の目標と安全に対するリスクとスタッフQOLを勘案しながら、最適化ソルバに最適点を探させるには、ナーススケジューリング問題の性質を分かって取り組むことが必要だと考えます。


解決策

解決策は、拙著GitHub、オープンソース文化制約FAQS です。
拙著は、仕様から制約への翻訳の仕方を解説した本です。
日本で初めて、否多分、世界で初めて看護師・介護士向けに仕様から、制約への翻訳だけを解説した本です。
日本の看護師・介護士の勤務表の難しさは、世界的にも類を見ない難しさだと思います。 海外では、ペア制約という類の言葉さえ聞いたことがありませんし、なにより海外に比べ日本のシフト形態は複雑です。
どのようにして、コンピュータに自分の思いを伝えるか? それが、伝えるようになったとき、「自分にカスタマイズした世界に一つしかない勤務表」が出来上がります。そして、


■思いをコンピュータに伝えられるスキル
■物理限界もしくは、物理限界近くまで探索できる強力なエンジン


この二つが組み合わさったとき、史上最強のツールとなることは間違いありません。これからの師長さんには、思いをコンピュータにすぐ伝えられるスキルを身に着けて、日本のシフトを良くしていって欲しいと心から願っています。 それは、同時に自身の負担軽減のみならず、一人ひとりのスタッフのQOL改善となり、最終的には事故等のリスク回避や組織の生産性向上に繋がると信じるからです。

どなたでも出来るように、懇切丁寧に書いたつもりですが、不明な点はお問合せ ください。
Kindle本は、皆様と共に作り上げてきた10年間のノウハウが一杯詰まっています。ぜひ、中身を眺めて、ご自分の職場に近い例を探してみてください。 制約FAQS では、皆さまからのご質問が多い事項について、実装の仕方と解説を行っています。
また、ブログ は、個別のご質問に対して、匿名化した上で、回答・解説を行っています。(10年になりました。)

また、大学病院での講義ノート と、トレーニング教材とプロジェクト についても公開しています。

一貫しているポリシーは、

■お客さまの仕様は、制約で実現する
■制約の仕方は、公開・共有化する

です。



サンプル

Kindle本 では、多くのサンプルを解説しています。これらのサンプルは、Github上にあり、スケジュールナースで読み込んで走らせて動きを確認することが出来ます。

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