ペア制約とは、あるスタッフAとあるスタッフBが同じシフト勤務になることを禁止したり、あるいは、Aが夜勤だったら、Bも夜勤にしたりするスタッフ間の制約です

海外のナーススケジューリング問題の論文では、ペア制約は見たことがありません。少なくとも、日本では必須だと思いますが、海外ではそこまでのケアは考えない/考えようとしないのか?謎です。

看護師シフト勤務表は、ベストセラー

とは、良く言ったもので、シフト勤務表発表時、スタッフの最大関心事は、誰とペアを組むということです。私の経験では、二つの師長のタイプがあります。全くペア禁止制約を使わない師長さんと使う師長さんです。全くペア禁止を使用しない師長さんは、スタッフ間の好き嫌いを認めないという立場であり、反対に、ペア禁止を定義している師長さんは、ある程度スタッフからの融通を聞いている師長さん、ではないかと想像しますが、本当のところは分かりません。同じ職場でも、師長さんにより、定義する/定義しないの差があるので、師長さんのポリシーによるのだと理解しています。良い悪いを言いたいのではなく、必要なら定義できることがソフトの要件ということです。

ペア禁止制約

経験的に、かなり多くのペアを禁止にしても大丈夫です。中には、20組のペアを禁止にした師長さんもいましたが、問題なく動いていました。ペア禁止制約は、解空間をそれほど狭めない制約、という見方が出来ます。

プリセプタ・プリセプティ

先輩側の看護師を「プリセプタ」、新人側の看護師を「プリセプティ」と呼びます。スケジュールナースでは、「AならばB制約」を両方向に使ってプリセプタ・プリセプティの関係を実現します。このプリセプタ・プリセプティは、ペア禁止とは異なり、明らかに解空間を狭めるので、使い方に注意が必要です。

ペア制約を集団で

ペアは制約は、基本的に二人間の制約ですが、集団に拡張することが出来ます。経験年数をパラメータにすることも可能です。詳しくは、拙著 をご覧ください