2回目の勤務表 制約の仕方を考える

概論

スケジュールナースに制約を入力する前にやるべきことがあります。それは、ご自分の病棟のルールを文章化するということです。
法律で決まっていることや、病棟の中の伝統ルール、スタッフとの間での了解事項、自分の頭にあるローカルルール、これらは、一度紙に箇条書きにしてみることです。ルールを明文化することによって、頭の中が整理できますし、あいまいな部分がはっきりします。コンピュータに入力するには、あいまいは許されないということです。失敗の例として、「この仕様は複雑すぎて無理ですね」、と納得してしまう方がおられるのですが、そうではなくて、あいまいなために入力が不可能なのです。どんなに複雑でも、およそ人間が考えられることは有限であり、制約という形で記述することは可能です。あいまいさが残っていなければ、制約を記述することは可能です。(それが、実用的かどうかは別問題ですが。)

もうひとつの明文化の効果は、それを他人に伝えられるようになることです。スケジュールナースのサポートに○投げしてもよいのですが、その場合でも、ルール化をきちんとやっていないと、必ずと言ってよいほど失敗します。この作業は、簡単なようで、情報の収集、分析、整理という3段階を経て、初めて明文化、ルール化が出来ます。ルール化によって、他の病棟とも共通ベースで会話が成立しますし、スケジュールナースのサポートとも話しが早く進みます。



勤務表というのは、変更が常に起こりえるものです。どうしてもその場しのぎの対応になりがちですが、こうした整理がなされていれば、公平なルールに基づいて行っているという、スタッフへの説明も可能になるのではないでしょうか?

また、日本語の文章なのでソフトウェアには、依存しません。すなわち、仮にソフトウェアが変ったとしても日本語の文章は変りません。


ルールの記述の仕方

ルールを記述するためのルール

勤務表に関するルールを記述するには、次のようなルールがあります。絶対こうでなければならないというものではありませんが、これを守ろうすると、曖昧な文章を排除する方向に向かうことになると思います。

1.文型は、2通りしかありません。

  〜  は、   〜
  〜  ならば、〜

例) スタッフ総数は、〜 人
     深夜回数は、  〜回以下/月
    夜勤回数が8回以上/月ならば、スタッフの遅出は、1回以下/月

2. 数字は、以上・以下を明示する

 「3回」とすると、2回以上、及び、4回以上は不可という意味になります。「3回以下」であれば、0,1,2,3回は、OK、それ以外は不可になります。「3回以上」であれば、0,1,2回は不可、それ以外がOKになります。

    

3.抽象的な言葉は使わない
   検討する。応援する。サポートする。補充する。補填する。確認する。処理する。調整する。徹底する,点検するといった言葉は、具体的に何の勤務がどういう制約になるのかが不明です。 

4.基本は箇条書き、表、図を活用する

下記は、夜勤のある/なしで分類してみた例です。最終的には、5タイプに分類され、すべての人は、このどれかの範疇に属することが分かります。

行方向勤務パターンは、この5種類を作ればよいことになります。

夜勤パターン
夜勤 タイプ タイプ詳細 タイプ名 スタッフ名
なし 師長 師長 A A
新人(2ヶ月だけ) 新人(2ヶ月だけ) B B,C
あり 共通 共通 C D,E,F...
制限型 療養中 D K
土日だけ E M

スタッフのプロパティ(属性)

人(スタッフ)は、様々な属性に所属します。グループ・レベル・ランクも属性の一つです。属性が一見なさそうに見える部分でも、属性を生み出すことで、記述がすっきりする場合もあります。

スタッフプロパティ
スタッフ名 チーム(グループ) スキル リーダ可能 派遣可能 加算チーム チーム異動者 病棟異動者 新人 夜勤パターン
A A ベテラン A
B A ベテラン B
C A ベテラン C
D B 中堅 D
E B 中堅 E
F C 若手 A
G C 若手 B
H C 新人 C




行方向と、列方向で分ける。

行方向と列方向の定義は、下図の通りになります。



次の4項目に分類することが出来ます。

列方向

以下の3項目になります。

項目 詳細項目
スタッフ人数 看護師長を含め 〜(人)
スタッフプロパティ 上表によります。
スタッフ組み合わせ グループ組み合わせ スタッフプロパティに対する条件を記します。
ペア ペア禁止または、ペア強制を記します。

行方向

項目 内容
期間
勤務回数
勤務パターン
休みの平準化

休み・勤務希望


その他、制約